一般社団法人日本毒性学会,THE JAPANESE SOCIETY OF TOXICOLOGY

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学会表彰/佐藤哲男賞(国際貢献賞)

選考結果

2023年度佐藤哲男賞(国際貢献賞)受賞者

授賞タイトル:日本毒性学会における国際的な知名度の向上と国際連携の推進、及び、国際水準による学術振興
氏    名:菅野 純
所    属:国立医薬品食品衛生研究所

受賞者一覧

2022年度佐藤哲男賞(国際貢献賞)受賞者

受賞者なし

2021年度佐藤哲男賞(国際貢献賞)受賞者

授賞タイトル:日本毒性学会における国際水準による学術振興,及び,トキシコロジスト認定制制定の推進
氏    名:黒川 雄二
所    属:公益財団法人佐々木研究所(前理事長)

2020年度佐藤哲男賞(学術貢献賞)受賞者

授賞タイトル:毒性試験従事者の基礎教育の実践と日本毒性学会への導入及び資格制度の確立:リスクの統合的評価法の拡充
氏    名:野村 護
所    属:株式会社イナリサーチ

2019年度佐藤哲男賞(学術貢献賞)受賞者

授賞タイトル:日本毒性学会における国際水準による学術振興,ならびに, 研究者間及び学会組織間の交流促進
氏    名:堀井 郁夫
所    属:ファイザー

選考規程

一般社団法人日本毒性学会 佐藤哲男賞(国際貢献賞) 選考規程
平成31年 1月25日  制定
令和 2年12月 9日  改定
第1条設 置:日本毒性学会は、本会における佐藤哲男博士の国際的及び学術的貢献に敬意を表し、佐藤哲男賞(国際貢献賞)を設ける。
第2条授賞の対象:毒性学に関連する研究、後進の育成を含めた毒性学教育と共に毒性学分野における国際活動において優れた貢献を果たした本会会員に授与する。
第3条候補者の資格及び推薦条件:現に10年以上継続して日本毒性学会の会員であるもの。
第4条表 彰:授賞者数は毎年1名とし、賞状および副賞を授与する。授賞式は当該年度の日本毒性学会学術年会の総会にて行う。
第5条受賞講演:受賞者は当該年度の日本毒性学会学術年会にて受賞講演を行う。
第6条候補者の推薦:評議員1名の推薦を必要とする。推薦者は、授賞候補者に関する所定書類を日本毒性学会理事長(事務局)に12月31日までに提出する。
  1. 推薦書(候補者氏名、略歴、会員歴、本会における委員等の職歴等を所定の用紙に記入したもの)
  2. 推薦理由(1,000字以内)
  3. 当賞の対象となる業績目録:原著論文(J. Toxicol. Sci.またはFundam. Toxicol. Sci.に掲載された論文に丸印を付ける)、総説・著書、依頼・招待講演(毒性学教育に関するものに限る、日本毒性学会学術年会で発表した演題には丸印を付ける)
  4. 過去5年間に日本毒性学会学術年会で発表した一般講演演題リスト(共同著者となっている演題を含む)
第7条選 考:
  1. 当賞の選考は、佐藤哲男賞(国際貢献賞)・学会貢献賞選考小委員会が行う。
  2. 選考小委員会委員長は理事長と学術広報委員長が協議の上指名し、委員は学術広報委員長と小委員会委員長が協議の上、指名する。委員長および委員の任期は1年とし、再任はさまたげない。
  3. 選考小委員会委員長あるいは選考委員が候補者と同一の講座(大学以外の機関はこれに準ずる部局)に所属する場合、受賞者決定の採決には加わらないものとする。
  4. 選考小委員会は授賞者を選定し、選考委員長は、該当者なしの場合を含めて学術広報委員長及び理事長に報告する。
  5. 選考方法等に関する申し合せは別途定める。

付則 令和2年12月9日改定の本規程は同日から施行する。
付記 令和2年度に限り、佐藤哲男賞(国際貢献賞)・学会貢献賞選考小委員会を佐藤哲男賞選考小委員会と読み替える。

ご挨拶  佐藤哲男

「佐藤哲男賞」創設にあたって
—感謝と責任と期待—
長く生きていると予想だにしないことが起こるものである。
1月に熊谷理事長からご連絡があった。「昨日の理事会で国際化に貢献のあった会員を顕彰するため「佐藤哲男賞」が承認されました」。寝耳に水とは正にこのことである。

1995年にIUTOX Vice Presidentに選出されてから、役員任期後も含めて約20年間SOT, IUTOX, ASIATOX, EUROTOXなど多くの国際学会や国際会議に参加する機会があった。熊谷理事長によれば、「先生の学術的貢献に加えて、これまで長年にわたりJSOTの国際化に先鞭を付けて頂いた事に対する賞です」とのことだった。

米国SOTでは高名な研究者の名前を冠した賞が多くあるが、日本ではその様な風習はなく、ごく限られたものだけである。JSOTの場合は、初代理事長だった田邊恒義先生のお名前を冠した「田邊賞」だけである。今回、自分の名前を冠した賞が創設されたことは身に余る光栄であるが、同時にその責任の大きさを痛感している。

これまで世界各国で開催された国際学会、国際会議などにはJSOTの代表の先生方と一緒に参加し、時には白熱した議論の中でしゃべり過ぎだと注意される事もあった。これらの会議では多くのことを経験した。国際会議では日本流の「以心伝心」は通用しない。意見があるときは遠慮せずに発言するのが常識である。発言のない出席者は意見なしとして座長から声がかからない。日本と違い座長から意見を求められることは極めて少ない。

これに関連してグローバルに有名なジョークを一つ。
『国際会議での腕のいい司会者とは、「いかにしてインド人を黙らせて日本人にうまくしゃべらせる事が出来るか」だ。インド人は押しが強くて巻き舌の英語でしゃべりまくる。反対に、日本人は指名されないといつまでも発言しない。いかにして日本人に発言させるかが司会者の腕だ。』

閑話休題
生来好奇心旺盛な私にとって、会議終了後は長年切望していた史跡をめぐる絶好の機会だった。イスラエルやイギリスでの会議が終了した翌日、かねてから狙っていたエルサレムの郊外にあるキリスト誕生の地ベツレヘムを訪ねたことや、イギリスのストーンヘンジなどを一人旅した事も忘れられない。

1974年にSOTに入会してから今日まで約45年になる。この間、国際会議や国際学会、SOT 年会などを通して世界中に多くの友人をもつことが出来た。また、予想もしない異文化と接することも出来た。欧米、中東、アフリカ、アジア、北欧の友人との出会いは私の生涯にとってかけがえのない宝である。

これから躍進する若い会員の皆さんにとっては、国際学会などで世界中の毒性学の研究者と知りあうことが国際化の第一歩である。欧米の参加者は日本人との対話を望んでいる。会場では遠慮せずに参加者に話しかけて欲しい。それが国際的つながりを広げる絶好のチャンスでもある。「actionがあればreactionが跳ね返ってくる。何も行動を起こさないと何も残らない」。JSOTの若い会員は国際化のために機会を見つけて是非actionを起こして欲しい。国際会議での議論の中で注意すべきことは、宗教と政治の話題は持ち込まないことである。

私にとって海外での国際会議は、同じ研究領域の友人と議論する場として生き甲斐でもあった。今回の賞の創設にあたり、もし私の国際会議への経験がJSOTの国際化の火付け役となったのであれば望外の喜びである。その間、海外での活動を積極的に支援して頂いたJSOTにはいくら感謝してもしきれない。

JSOTが創立されたときに入会し、その中で先輩会員各位や同僚から多くの事を学び、今日まで育てて頂いた。今後JSOTが国際化を促進するためには、現在学会を支えてくれている若い力が必要である。「佐藤哲男賞」がそれを推進する原動力の一つになれば、当事者としてはこれ以上の喜びはない。トキシコロジー研究に国境はない。JSOTはグローバルな躍動の中で発展すべきである。

JSOTの中には、これまで国際化に尽力された会員が少なくない。これからは、一人でも多くの受賞者に毎年授賞式でお会いして私から直接お祝いの言葉をかける事が出来る様健康管理に努めて参りたいと考えている。

推薦要領

2024年度日本毒性学会 佐藤哲男賞(国際貢献賞) 候補者推薦要領
毒性学に関連する顕著な研究業績をあげ,かつ日本毒性学会の発展充実に大きく貢献した本会会員に日本毒性学会佐藤哲男賞(国際貢献賞)を授与する。

候補者の資格:現に10年以上継続して日本毒性学会の会員であるもの。ただし,推薦される研究課題で既に他学会等の賞を受けているものは対象とならない。

推薦者の資格:日本毒性学会評議員1名。

表 彰:授賞者数は毎年,最大1名とし,賞状および副賞を授与する。授賞式は当該年度の日本毒性学会学術年会の総会終了後に行う。

受賞講演:受賞者(或いは代理人)は当該年度の日本毒性学会学術年会にて受賞講演を行う。

候補者の推薦: 推薦者は,受賞候補者に関する下記事項を所定用紙に記入し,日本毒性学会理事長宛(事務局)に電子メールで提出する。
  1. 推薦書(候補者氏名,授賞タイトルを所定の用紙に記入したもの)
  2. 推薦理由(1,000 字以内)
  3. 佐藤哲男賞(国際貢献賞)の対象となる業績目録:原著論文,総説・著書,主催,発表等

推薦書類の送付先:jsothq@jsot.jp(日本毒性学会事務局)

推薦締切:2023年12月31日(日)

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